2015/12/01 能ある子供たちの眠った爪 バドミントンのステップ

先週の練習では、子供たちはフットワークの練習をおさらいした。単なるスピードアップのフットワークではなくゲームを意識しての移動。なんでもかんでも真ん中に戻れば良いわけではない事。前から後ろに下がる時の足のさばき方。最後の一歩でシャトルを前にとらえられるように大きく強くフットワークをする事。

その中で、ほとんどの子が、一歩一歩に体重がのっていない。そして、足をクロスステップした方が良い時にそれをしない事が気になった。一歩一歩が軽いのは、3つ程原因がある。1つ目は、最初の一歩の重心が高いから。2つ目が歩幅調整を早い段階で行ってしまうから。3つ目は最後の一歩がか弱いから。

ジュニアの場合、筋力が弱いので体重移動でそのカバーをしないといけないわけですが、片足に体重を乗せる事がどうも下手なように思う。倒れないようにするためなのか、両足に体重がのこったまま移動している。筋力があればそれでも何とかなるが、今の筋力なら頭から腰に掛けての全体重を使って重心移動を覚えたい。

最後の一歩に関しては、シャトルをどこで捕らえるのか?これがあいまいな事も原因の一つのように思う。より前で、より高い位置で、より強くシャトルを捕える意識が後ろに下がりながらだとかなり低くなっている。後ろに下がってそこから前に出ながら打つのではなく、後ろに下がりながら打っている。

技術的な問題としては、足をクロスさせることなく移動するフットワークが9割以上であることだと思う。右足と左足が中央でぶつかるサイドステップは、自分にラリーの主導権がある時には向いているが、相手にラリーの主導権がある場合には、不向きと思っておくくらいが良い。

相手にラリーの主導権がある場合、こちらは相手のショットに対処する形になるため、一瞬、遅れる事が多い。一瞬遅れた時間を取り戻すためには、移動スピードをあげて時間を取り戻すか、山を張ってカウンターか、一瞬の間にシャトルが多く移動した分を移動距離でカバーするしかない。サイドステップは距離を延ばすことが難しいため、ステップスピードあげるしかない。ただし、これには肉体的な限界もある。

そこで、一瞬遅れた場合に対応するために、移動距離を増やすために、クロスステップをいれると良い。もちろん使い分けが瞬時に出来るまでには時間がかかるが、サイドステップオンリーでは、相手に主導権があるラリーでは追い込まれた状態から挽回が難しい。強引にスマッシュ、体勢を崩しながらのクロスカットなどの苦し紛れのショットくらいしか選択肢が無くなる。

サイドステップオンリーでは、ラリーの主導権をわがものにするというより、そのラリーを打ち切るショットでしか反撃が出来ない。ラリーの主導権を奪い返すためには、クロスステップが重要なのです。おそらく、子供たちに「なぜサイドステップしかしないの?」と聞くと、「そう教えてもらったから」としか言わないのだと思う。

「クロスステップとかも習ったよね?」と聞けば、「はい。」というでしょう。そして再度「なぜサイドステップしか使わないの?」と聞くと「なんとなく・・・」となる。技術を習っても、使うタイミング、使う場所、使う相手を教えてあげないと、ジュニアの子供たちはその技術を使わない事が本当に多いのです。

子供たちには、まだまだ使っていない技術が眠っていると思うと、最大限、力を発揮できるように使う場面まで、伝えてあげないといけないなと思います。能ある鷹が爪を出せない状態のままではもったいないですからね。

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