2016/03/14 反対の腕をあげるのはなぜ必要? バドミントンと人体

中学受験を終えた息子がようやく前に進みだしました。受験が終わってからの1か月間は目標を失ったかのように何につけても意欲がありませんでした。3月に入りやっと、あれしようかな、これしようかなと前を向き始めました。

そして、バドミントンを卒業したはずの彼が、「中学いったら1年だけバドミントンやろうかな。」と言ってきました。素直に私はうれしく思い3年ぶりくらいに息子の素振りを見てあげました。弟に「そこはこうだよ」とツッコミをいれられながらも素振りを笑顔で100回くらいやりました。

「ねぇ、パパ。ラケット持たない方の手ってどうするんだっけ?」素振りをしながら自分の中の疑問を投げかけてきました。こっそり素振りを眺めている弟もわからないような顔をしていました。

ラケットを持たない方の腕をなぜあげるのか?これには2つの理由があります。1つは腕の重さの活用。2つ目は回転スピードの向上です。理科を習った息子にはさらっと言ってわかってもらえたのですが、弟の方がまだまだキョトンとしていました。

1つ目の腕の重さの活用は、腕を前に振りあげて降ろす。ラケットをもらない腕でこの前から下の動きをすると、ラケットを持った方の腕(半身)が自然と前に出ようとします。右利きなら1kgの鉄アレーを左手に持ってこの腕をあげて素振りをすると、大きな力が右腕側に働くことが実感できると思います。野球の投球スピードの向上トレーニングでもよく行われるものでもあります。

体幹が弱い人ですと、バランスを崩してしまうこともありますので、重さはいきなり重くはしないで下さい(体幹のトレーニングにもなりますが)。腕の重さがどれだけ力を発生させることができるのかがわかれば、それを意識してあげて降ろすことの大切さが伝わります。重さを感じた分だけ強く触れます。

2つ目の回転スピードの向上は、振りあげた腕をおろしながらも、ぐっと自分の方に勢いよく引き寄せることで、体がそれだけで勝手に半身になります。つまりラケットをもつ方の肩が前に出るようになります。肩を前にだせ、腕を前にだせと言われることも多いですが、出そうとしなくてもあげた腕を自分の方にギュッと引っ張りこめば勝手に出るのです。そして勝手に出るので初速もあがります。

あげた腕を引くスピードをかえてみれば、体の横回転のスピードに変化が起きる事がわかります。これであげた腕を引く事の大切が伝わります。素早く引けばスイングスピードが上がるんですね。

こんな感じで、弟の方には、体の仕組みを体感してもらいながら説明したら、納得してくれました。そして、日課の素振りの際にはさっそく左手に重りをもって素振りをしていました。ほんと単純ですね。

腕をあげたら重みを感じて力を入れずにストンと落とす。落とす途中でその腕をギュッと自分に引き寄せる。この2段階でパワーとスピードを生み出します。ギュッとあげた腕を引く人は多いですが、腕の重みをしっかり利用している人はあまりいません。筋トレ以外にもパワーを増せる場所は、まだまだあるんですね。弟にも腕をあげる大切さを伝える機会をくれた長男に感謝です。

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