もしかしたら日本だけなのかもしれない。そんな事をYoutubeのバドミントン動画を見ながら感じました。何が日本だけなのかというと、ジュニア期のバック奥のショットの選択です。
海外のいくつものジュニアの練習風景を眺めていると、ラウンド側にきたシャトルに対して、普通にハイバックなどのバックハンドで入る練習をしていました。もちろん余力がある場合は、回り込んでフォアで打ちますが、体勢が悪い時にはあまりそれをしないようです。
ところが日本のジュニアの練習となると、ラウンド側は、「回り込んでフォアで打て」。これが当たり前の事のように言っています。なんでバックで入るんだよと。怒鳴られる事も多いです。
そんな大人たちが自分たちの試合でそんな事をしているのか?というとバックで入って打っていることがほとんどです。つまり、バックの方が楽に強いショットを打てる事が感覚的にわかっているのです。
もちろんジュニアの子たちのバックハンドには威力がありません。だからフォアで打てと言っているのだと思うのですが、練習をさせていないのに強いバックハンドのショットが打てるわけもありません。
ラウンドに回り込めるだけの余力がないのに、無理やりフォアで入ろうとして、体勢を崩す。こんな姿を試合でも沢山みてきました。それは単にフットワークを強化すれば良いと最近まで私も思っていましたが、少し考えを改めないといけないかなと感じました。フットワークも大切。そしてハイバックも大切。
体も小さく、移動スピードも大人のようには無い子供たちに理想論で指導していないか?その背丈、その筋力で、しっかりフルコートをカバーできるショットの最適解を大人の常識で決めてはいないか?特に、大人自身がプレーする際に、選択しないものを子供にやらせている場合は要注意です。最適解を教えるのも指導の一つです。
動物は最小作用の原理に基づいて本能的に動いています。最少の運動で、最大限の効果が出る事を「快」とみなします。どうせ大人になればバックハンドを多用するようになります。だったらジュニアの時期から精度をあげておいても良いのではないでしょうか?
一般的に、子供の弱点はバック奥と言われます。しかし、これは単に、バック奥の打ち方を指導者が誤った常識で一部しか指導していないからなのかもしれません。世界ジュニアのTOPの子達はハイバックが打てている事実が何よりも重要ですよね。もちろんラウンドで入るフットワーク、ラケットワークの練習もした上での事ですがね。