2016/05/10 試合の中でしかつかめない貴重な感覚 バドミントンの試合練習

先日、ジュニアの夜練習に参加し、私も子供たちとたっぷりシングルスをやってきました。体の節々がまたしても悲鳴をあげています。筋肉は元気でも歳を重ねるにつれて関節周りの回復が遅いなと痛感します。

ここ最近、子供相手ではありますが、シングルスをやるようになって随分と昔の感覚(約20年前)が戻ってきたように思います。フットワークは一歩ずれる事がまだまだありますが、それでもタイミングの取り方、ショットの選択など思い出すことも多いです。

試合練習当日には、体力的にも自分の事でいっぱいで、中々良いアドバイスを提供できなかったのですが、自分にも余裕がそろそろ出てくるので、今後はしっかりと相手を見極めていけそうな感じです。

今日は、先日のうちのジュニアの男女のTOPシングルの子との試合の中で、今思うとあれこれ出てきたので、それを忘れないようにメモしておきます。 まずは1つ目はフットワーク。男女どちらの子も、フットワークが良い意味で言えば、安定していますが、悪い意味では、メリハリがないと感じました。いざという時のTOPスピードが無いために、相手に焦りを与える事が出来ていません。

相手のラケットが寝ている状態で、バックハンドレシーブなどをしたら、もう前の1点張りくらいの勢いでラッシュして詰めてしまっても良いのですが、そのスピードが通常のフットワークと同様で、焦りを与える事が出来ていません。もちろんプッシュも出来ずにヘアピンといった感じでした。

「少しでも甘い球を返したらやられる」この意識を相手に植え付ける事で、相手の焦りをうみミスをさらに誘発させやすくなります。ちなみに、相手にバックハンドレシーブをさせるコツは、バックハンド側に打つのではなく、ボディのセンター狙いです。しかも若干緩く打つ。両足もついた状態になるため、力強いショットを一番打ちにくいので前に落としてくることが多くなります。 それを狙い撃ちするといった戦略です。

2つ目は、ラウンド側のショットです。女子の方は、体制がすぐに崩れてしまうので、その課題はあるものの、強烈なクロスカットで逃げる技術を持っているので、このクロスが入っている場合には、相手もやすやすとそこを狙えなくなります。しかし、入らなくなった途端に、単なる弱点でしかなくなるのでクロスショットの技術をあげるか?打てない時にしっかり相手のコートに返す基本を繰り返し練習するかのどちらかかと思います。

男子の方は、ラウンドを狙ったからと言って、すぐに崩れるわけではないのですが、そこからストレートしか選択しないため、相手にとっては狙い続けてミスを待つという戦略を立てられてしまいます。流れながらのラウンドからのストレートスマッシュなどはもろカウンターの餌食にもなりかねません。ラウンド奥から打つショットのコースの幅を広げてもらいたいなと感じます。

3つ目は、男女ともにですが、相手のショットがサイドラインではなく、中央付近に返球された時に、コースが甘いと思ってしまっているのか、そこからサイドラインへ打ち込みサイドアウトになるという事が何度も繰り返されました。

私は、あえてそこに打って、サイドアウトになるように狙っているのにです。中央付近のショットは、打つコースが左右ともに狭いため、サイドアウトになる確率が高くなることを意識できていないようです。逆に逃げる時は、コートのセンター奥にあげてしまえば、相手のコースを狭められるという事でもあります。以前ここにもメモしましたが、四隅をつき過ぎて相手が自爆するパターンを上手く活用する感じです。

ダブルスではセンター奥に上げるのは良い選択にならない事が多いですが、シングルスの場合は、特に問題ない事を早くつかんでもらいたいなと思います。苦し紛れでクロスにクリアを打つよりショットも簡単です。戻る距離も短くて済みます。

4つ目は、気持ちの問題です。最初の1番目のフットワークにも通じるのですが、点を取る意識が低い。シングルスの練習をやっている延長で試合に挑んでしまっているように感じます。試合のための練習なのか?練習のための試合なのか?ここを忘れがちです。 試合の勝ち負けはどうでも良いのですが、「点を取る」「点を取らせない」こういった意識が低いのです。そのため、どうやったら点が取れるのか?どうやって点を取れたのか?どうやって粘れたのか?勘は当たったのか?などなど試合の中でしかつかめない貴重な感覚が育っていないように感じました。

試合には課題をもって取り組むのは当然の事ではあるのですが、そればかりに翻弄されて点を取る意識が低い状態を続けてしまうと、それが本番の試合でも出てしまうものです。試合では全力を出して点を取りに行く。そして全力で点を与える事を阻止する。この根本的な部分を磨いて欲しいなと思います。勝者のメンタルが育たなければ、取りこぼしも多くなります。絶対に負けない。この強い気持ちが自分の成長を後押ししてくれるものでもありますしね。

最後は、やっぱり気持ちに辿り着きます。今よりさらに強い意識に変わればもっともっと高みに行けるそんな気がする二人です。フットワークスピードにしても、コース選択にしても、まだ持っているポテンシャルの70%程度しか試合で出せていません。全力で戦う事を繰り返し、100%に近い値をコンスタントに出せるようになって欲しいなと思います。

楽して勝つのは大人になってからで十分、大人から真似してはいけないところ、それは手を抜く所です。「全力で動く」子供はそれだけで運動神経が発達し上達してしまうものです。もちろん強制はNGです。全力で休みながら、全力で試合に挑んで欲しいなと思います。いつも接戦で負けてしまう子なら、尚更、勝者のメンタルを刻み込ませたいです。

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