2016/05/26 へなちょこドロップは奥が深い バドミントンと状況判断 

昨日の練習で、ドロップの特訓がしたいとジュニアの子からの要望があり、ドロップの練習をしました。どの子もそれなりのドロップショットは打てるのですが、ドロップだと分かるようなスイングが目立ちました。

ドロップとカットの一番の違いは、相手の虚を突く部分です。ですから、ドロップがバレバレではヘアピンで簡単に返されてしまい相手にラリーの主導権が移ってしまいます。 虚を突くためには、クリアやスマッシュのような強いショットを相手に想定させる必要があります。出来るだけ大きなフォームである事が必須条件であり、フォロースルーもしっかり行わないと難しいのです。

子供たちはショットの精度や打ったシャトルの事ばかり気にしてしまいがちです。自分にとってナイスショットならOKというスタンスなのです。ドロップを打つのであれば、相手にとってバッドショットである事が一番大切なのにです。

同じフォームで強いショットを印象付けているのかどうか?この当たりも本来なら考えた上でドロップとしたいところなのです。状況判断あってのドロップであり、一つのショットで完結するものではない事を意識してもらう練習もしないといけないなと感じました。

この考えが根付けば、攻めるためのドロップだけではなく、守りのドロップショット(リターン)も選択できるようになってくるのかなと思います。苦しい体制だからと、いつもいつも強く奥まで返すのではなく、大きく振りかぶりながらも、いつもより打点を低くして、あえて前に落とす。こんな事も出来るようになります。 特にシングルスでは、いつもいつも高い打点で打つ必要はありません。大きく振りかぶってさえいれば、相手も強打や後ろのケアが頭に浮かぶため、なかなか前に詰めてこれません。腰の下で打ってもラリーがつながる事は多いのです。

今回、ドロップを特訓したいといった子は、主にダブルスばかりやっている子なので、下で取ることがNGと叩き込まれている事もあり、いざ試合となると、やはり上で強くうつダブルスの基本どおりにシングルスを行ってしまいました。

それでも、本人も「ここで下でふんわり打っても良いのかも」と状況判断の感覚はつかめてきたようなので、これから実践の中で、状況判断の練習を積んでいけば、ショットの引き出しが増えてくるのかなと思います。

やわらかいショットを覚えたい。ショット自体は簡単かもしれませんが、奥の深いものなのだという事を意識すれば、相手にとってのバッドショットを繰り出せるようになるのかなと思います。例えへなちょこドロップだなと感じても、それを打てる人は、ワンランク上の戦術眼や強いメンタルをもっていると意識した方が良いです。うちのコーチにもそんな人が一人いますので、ぜひ学んで欲しいなと思います。

気持ちがチキンになっていると入らないのがドロップでもあります。へなちょこドロップを打てるメンタルも併せて鍛えたいものです。

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