2016/05/27 4つの基本セオリーと優先順位 バドミントンの戦術

バドミントンの戦術について、今日は少し触れておこうと思います。ジュニアの子たちは、なんとなく戦っている事が多いので、しっかりと方向性を示してあげたいなと思うからです。

まず、戦術の基本は、「1.ミスをしない事」です。これがすべてのベースになります。次に、「2.ノータッチを決められない事」です。この二つがあって初めて、次の「3.相手にミスをさせる事」になります。ここまでうまく決まれば後は「4.ノータッチを取る事」が自然な流れで生まれてきます。

戦術の優先順位として、この順番を徹底することが重要です。子供たちをみていると、この優先順位がまるで逆になっているばかりか、そもそも項目として頭の中に入っていない事も多いように思います。ノータッチをとる事ばかり浮かれて練習していたりもします。大人が子供と試合をやって負けないのは、子供相手の練習という意識が強いので自然とこの優先順位を守りながら試合を行っているからでもあります。ときどき大人が子供に負ける場合のほとんどが、この優先順位を守らない時に起きるものです。

さて、このベースとなる思考の優先順位を今度は自分の一つ一つのショットにも当てはめていきます。まずはミスをしないようにする事です。しっかり体勢を整え準備をして打つことが最優先です。ミスは移動距離に比例して起きやすくなりますので、自分の移動距離が多い場合には、より注意します。いつも出来る事でも移動距離が長かったり体力が落ちている場合などにはミスをしてしまう事もあります。

次に、ノータッチを決められないようにする事です。自分のポジショニングに穴は無いか?配給でオープンコートが生まれやすいものを選択してしまっていないか?相手にはフェイントもある事などに注意を払います。ギリギリでも触れる事が重要です。例え相手に点が入っても触れていればこの部分はクリアです。フットワークスピードを上げたり、相手をよく見る事を訓練したりと、トレーニングで克服できます。

次に、相手にミスをさせる事です。相手のミスが多くなるのは、移動距離が多いとき、苦手な部分を突かれたとき、虚を突かれたとき、体力が落ちてきたとき、集中がきれているとき、ネガティブになっているときなどです。

そこであらかじめ自分の打つショットに役目を持たせておくことが大切になってきます。1つ目は「相手を動かすショット」2つ目は「甘い球を返させるショット」3つ目は「苦手をつくショット」です。スマッシュ一つにしても、相手を動かすスマッシュなのか?甘い球を返させるスマッシュなのか?苦手をつくスマッシュなのか?の3パターンで打ちます。例えば、相手を動かす目的ならカット気味のクロススマッシュ。甘い球を返させる目的ならボディのバック側に緩いスマッシュ。フォアハンドのレシーブ力が弱いならそこへ緩急をつけたスピード違いのスマッシュなどです。

同じように、クリアやヘアピン、ドライブなどにも3つの役目をもたせておきます。動かすクリア、甘い球を打たせるクリア、苦手をつくクリアといったように。 こんな状況を冷静に実践できてくると、自然と相手はミスをします。すると甘い球やオープンコートが生まれてきますので、ここで「ノータッチを取る事」が可能になる状況になります。この状況でも無いのに「ノータッチを取る事」だけを実践してしまうと、徐々に徐々に自分が苦しくなり自滅に近づいてきてしまいます。

子供たちの試合を見ながらも、「ミスをしなかった事」これを最大限に褒めてあげます。そして「ノータッチされなかった事」もすごい事だと伝えてあげます。この二つが出来たのであれば、「相手のミスを呼び込んだショット」について、褒めてあげます。ノータッチを取れたからと言って、そこを褒めるのではなく、それ以前の3つのプロセス部分をしっかり褒めてあげれば何が大切なのかもわかってもらいやすくなります。

もちろん、気分的に落ち込んでしまっている状況なら、ナイスショットでノータッチを取ったことに対して、一緒に喜んであげる事も大切です。不利な状況、競った状況であれば、気持ちや集中力の維持が重要だからです。それでも試合の後には、しっかりとその前の3つのプロセス部分について、どうだったのかを伝えてあげます。ノータッチを取った事などここでは触れる必要はありません。

細かな部分はさておき、勝つためには、優先順位を徹底する必要がある。この事をしっかりと根付かせていきたいなと思います。試合では勢いだけで勝つ場合もありますが、やはりベース部分でより強くなって欲しいと思っています。

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