2016/05/31 ライバルとの戦い方 バドミントンの戦略

前回に続いてバドミントンの戦略の話です。今日は2つ目の「格下に負けない戦略」と3つ目の「接戦で勝つ戦略」です。格下に負けない戦略は、基本の戦術どおりに実践するだけですが、相手が前回書いた1つ目の「格上に勝つ戦略」をとってきた場合に対応しておく必要があります。

相手はギリギリのショットを使ってきます。我武者羅に挑んできます。こんな相手ですから、調子に乗らせない事が重要です。オンラインのショット、ネットインをされても気にしない。「もっとやって来いよ。」と相手を褒めてあげるくらいの度量が必要です。焦ったら思うつぼです。自分の調子が悪いわけではありません。サーブレシーブの際に、相手のペースではなく、ゆっくりと自分の時間で構えましょう。

堂々とコートのセンターにリターンするくらいの気持ちで十分です。相手の四隅をつくとそこからギリギリのショットが飛んできますが、これがセンターからのショットであれば、ギリギリのショットもアウトになる確率が格段にあがります。自分の移動距離も少なくて済み、体力の温存にもつながります。センターですと角度をつけるのも難しいため、返すのも難しくありません。

こんな感じで、相手が「格上に勝つ戦略」を取ってきたら対応してあげます。普通にやってきたら普通に基本の戦術どおりやります。これで負ける事はありません。

3つ目の「接戦で勝つ戦略」ですが、こちらのポイントは「点」に関する意識をしっかりもつことです。連続失点をしない。連続ポイントを取る。この意識が重要です。ワンラリーワンラリーで考えるのではなく、流れを大切にします。2連続ポイントをとったら、相手のミスによる連続得点なのか?自分のナイスショットによる連続得点なのかで、考え方を変えておきます。相手のミスでの連続得点なら少し強引でも良いので、相手に甘いたまを返球さえるショットを多めに使い、点を取りにいきます。相手は集中を切らしている可能性が高いので、さらにミスをする可能性が高いからです。サーブ間のテンポも速めにします。相手に考える余裕を与えないためです。

一方で、自分のナイスショットによる連続得点の場合は、注意します。そんなにうまく事が運ぶわけがありません。ゾーンにでも入っていない限りたまたま良いラリー展開になっただけの可能性が高いからです。ナイスショットによる連続得点の場合は、強引に3点目を取りにいかず、先ほど点のとれたラリー展開をもう一度行うようにしてみます。相手が対策を練ってきているかどうかを確かめます。もし対策がないならその展開を続けて1点でも多く点をとるようにします。焦らず1点ずつです。サーブのテンポは普通で良いです。自分が勝利を焦らないようにするためです。

2連続失点をしたら基本戦術にのっとり落ち着いて1.ミスをしないこと。2.オープンコートを作らないこと。3.相手にミスをさせること。を徹底します。 間違えても、4のノータッチを取ろうとしないことが大切です。がまんです。がまんを続けることで相手の集中力を削いでいきます。がまんしていれば通常は3連続失点で終わります。がまんをしないと一気に5点くらいもっていかれてしまいます。

そして大詰めの19点以降です。ここからは別ゲームだと思って、気持ちを切り替えます。基本戦術を守りながらも、より強い気持ちで挑みます。相手が19点に先に達したのであれば、サイドラインへのショットの数を減らします。上がってきたシャトルに対しては、手打ちのスマッシュでも良いので、上から下にシャトルを押し込みます。ロブやクリアでの後ろのアウトが一番心にダメージが残りますので、ボディのバック側を中心に攻めていきます。

もちろんそればかりでは相手に対応されてしまうので、クリアやロブも使うっていきますが、その時は、左右ならコートの内側1m。後ろは高さをいつも以上に意識して返します。ドリブンクリアや低いロブはここでは封印します。これを自分が21点を取るまで続けます。セッティングになっても同じです。19点以降のゲームでは中途半端に戦略を変えないようにします。

また、先に自分が19点をとった場合には、連続得点の時と同じ感覚で、状況を判断します。相手のミスによるものなのか?自分のナイスショットによるものなのか?相手のミスでの19点目であるなら、単にサーブのテンポをあげて決めにいくのではなく、相手の呼吸を読み、息を吐いた瞬間にサーブをするなどサーブから仕掛けていき、さらに相手のミスを狙っていきます。もちろん自分はミスをしない。ノータッチをされない事を意識しつつです。つまりサーブ以外の部分は、普通にやれば勝てます。

自分のナイスショットで19点目を先に迎えた場合は、相手が割り切っている事も多いので難しい局面となります。2点差以上あれば、強引に点を取りに行きます。冒険もありです。いままで見せていなかったリバースカットなどを出しても良いでしょう。1点差の場合は、がまんです。連続ポイントを取ったラリーを思い出しながらチャンスを伺います。ミスをしても連続失点をしないように切り替えます。

また、心技体が問われる場面ですので、あれこれ考えない事です。目の前のシャトルのコルクにだけ集中します。周りの応援や、プレッシャーなどを意識してしまった場合にこそ、一度目を閉じ、そしてシャトルのコルクに意識を集中します。集中という漢字があらわすように一点を見つめる事で集中力は戻ってくるものです。集中力が途切れなければ1点差ゲームをものにできます。

以上で3つの戦略を簡単ですが説明を終わります。基本的にシングルスでの戦略となりますので、のちのちダブルスの戦略もメモしたいと思います。尚、一番のポイントは、自分とパートナーの戦略の共有になります。二人の頭をシングルにです。ではまた後日。

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