2016/08/05 レッテルを張られる人の特徴 バドミントンと仕事

最近、自分の仕事の方で自由な時間があまりとれなくなってきました。忙しいという感じでは無いのですが、新しく配属された部下の教育に多くの時間を取られているからです。教育するといってもすでに35歳を越えた男性です。

いろんな仕事をしてきた中で、あまり成果を上げられないと、私のところに来て再教育という感じに会社の方の流れとして出来上がっています。入社10年で思うように伸びない人が毎年のようにやってくるわけで、まぁ慣れたものと言えば慣れたものではあるのですが、厳しい現実を本人に伝えることは何度やっても気持ちの良いものではありません。

バドミントンでも同じように感じるのですが、伸びない人には伸びない理由があります。ざっくりとですが、1.人の話を最後まで聞いていない。2.自分のやり方で出来ると思っている。3.何かがおかしいとは感じているが誰も言ってくれない。の3つが特徴的です。

仕事の話ではあるのですが、バドミントンのお話として、今日はこの事を書き留めておこうと思います。バドミントンが上手くなる、つまりは自分が成長する経験としてジュニアの子供たちにも伝えて置きたいと思うからです。

伸びない人の特徴その1.人の話を最後まで聞いていない。本人は話を聞いているつもりでいるのですが、途中で、自分の考えが暴走し始めてしまいます。特定の部分に思考が占有され、話の途中で、自分の中であれこれ考え初めてしまいます。聞く耳が無いわけではないのですが、最後まで聞けていないため大切な部分を取りこぼしてしまいます。結果として、「言ったよね?」「聞いてたよね?」と言われてしまい理解力、記憶力の悪い人だとレッテルを張られてしまい評価を落とします。

聞く耳も理解力も記憶力もあるにも関わらず、途中の思考の暴走が、悪さをしているだけなのにです。こういう人には、「話の途中で考えるな、全部を聞いてから考えよう。」「暴走しそうになったらキーワードだけメモしておくだけにしよう」と伝えるだけで随分と改善します。

次の練習メニューを理解しきれていない子などはまさにこのパターンが多いです。最初は聞いてるんですけど、長いと無理。話す側としては短く話すようにする方法も大切なのですが、そればかりでは子供は成長しません。ジュニアの子の場合は、話の内容に対する思考の暴走だけではく、目に入ったものに思考を奪われる事も多いので、話を聞くというだけでなく、最後まで話を聞いてまとめる。こんな感じにしていくと良いと思います。

伸びない人の特徴その2.自分のやり方で出来ると思っている。人間が成長するためには、外部の情報を巧みに取り込んでいく必要があるのですが、このパターンの子は、自分のやり方で出来ると思っています。コーチなどに言われても中々それを心から取り入れようとはしません。まずは自分のやり方です。言われた直後は、怒られないためにやったふりをしますが、それは見せかけである事が多いです。単に、怒られないためであり、自分が強くなるために取り入れたわけではないのです。

コーチが考える子供たちのバドミントン成長プロセスは多少の違いはあるものの方向性などほぼ統一されており、経験によって裏付けられているものなのです。これを正解として練習メニューを組んだりアドバイスをしたりしてくれているのですが、このパターンの子はそこを正解だとは思わない傾向があります。いつでも自分が正解。出来なくても「このやり方で出来ると思っていました」と、上手くいかなくてもそれでも正解をコーチの方にはおかないのです。

うまく言っている場合は、問題ないのですが、上手くいかなかった特に、混乱するのもこのパターンの子の特徴です。混乱し、怒ったり泣いたりもします。なぜ混乱するのかというと、正解が自分の一つしかないために、どうしたら良いかがわからないからです。何度もコーチから伝えられた事でも、頭に無いのです。なぜ上手くできないのか?答えはコーチから何度も言われていたにも関わらず、それを正解としていないがために、混乱してしまうのです。

こんな人には、「君のやり方でうまくいくと思っていたんだろ?それでどうだった?」と聞いてあげる事で、ハッとすることが多いです。「他の人のやり方と自分のやり方を比べてごらん。自分のやり方だけしか見ていないと、比較が出来ないから、上手くいかない時に混乱しちゃうんだよ。」「あいつならこうやるよな」「コーチの言ってたのがこれか」など比較できるようになると、混乱せずに成長のチャンスに代わるだんよ。」など話をしてあげる事で自分がいかに自分にこだわり過ぎていたのかを痛感してもらえます。

正常との比較が出来れば、問題点が明確になり、問題解決能力が格段にあがります。勝ち負けに関係なく伸びる子になれます。

伸びない人の特徴その3.何かがおかしいとは感じているが誰も言ってくれない。これはその1やその2の結果として、招いてしまう残念なものです。話を聞かない奴、言ってもやらない奴。出来ない奴。というレッテルを張られてしまうため、他人が言ってくれなくなります。客観的な意見が耳に届かなくなるため、ますます自分の考えばかりが暴走します。悪循環です。

この段階になると、出会いを待つしかありません。ズバッと上記1と2の問題をその人に伝えてくれる人との出会いです。出会いが遅い場合は、致命傷になりかねません。会社でいうなら窓際族になってしまいます。私のところに来る再教育者たちの殆どがここに足を踏み入れてしまっています。

毎度、以前に一緒に仕事をした事のある人、一人一人に聞いてみると、どの人も腫れ物にさわるような感じで、問題点をきつく言ってこなかったそうです。なんか面倒なやつなので深く関わるのはやめといたと・・・。逆切れされそうで怖いという人もいました。

この段階まで来ている人には、ずばり問題点を言ってあげる事で改善します。「君さ自分でどこか変だと思ってるよね。でも誰も君には言ってくれなかったでしょ。君、面倒なやつだと思われちゃってるんだよ。勘違いされちゃってるの知ってた?」「ええ、なんとなく・・・」と。「じゃ、なぜそうなったか一緒に考えて、この嫌な空気変えようよ」と言うとほぼ乗ってきます。

本人の変わりたい思いは随分と前から持っている段階なので、その機会を作ってあげます。相手の話を最後まで聞いてこなかった事が原因で起きたこと。自分のやり方にこだわり過ぎが原因で起きたこと。その結果、今の君の現状がある。あせらずじっくりと一つずつズバズバとその1、その2の具体的な部分で、ここが君の悪いところ。でここをこう直せばOK。で、あとこれね。これは、君苦手でしょ。でも大丈夫。これだ回避できるから。で、こんな場合は、考えちゃだめ。先に聞くのだよ。などなどヒアリングしながら一緒にその人の中の正解を再構築していきます。

もうこれが最後だと通達している事もあり、本人も本気ですから、こちらも本気で挑みますので対応する方は、正直、精神的にも疲れます。自分の仕事もしないといけないのでほんとに疲れます。1か月程度毎日ぐったりです。今がまさにその時ですがメモを書いて私自身の気持ちを発散しています(笑)

ジュニアのバドミントンの段階で、このその3の段階に足を踏み入れている子は、3年前の卒業生(現在中3)の女子に一人、去年の卒業生の男子に1人。今年の5年生男子に一人、4年生に男子に二人。と見渡すと確実に存在します。この子達は、おそらくこのままで行けば、伸びそうに見えてもそれほど伸びないと思います。正解を再構築できない人は、成長しないものですからね。

人間が成長するためには、外部の情報を巧みに取り込んでいく必要がある。それを拒んだ人は淘汰される。これが世の悲しき現実です。

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