2016/09/08 繊細な練習で普通を取り戻す バドミントンと神経

昨日は、1か月ぶりの特訓日でした。自分の課題に向き合いたいそんな子だけが集まる秘密特訓日と言っても良いでしょう。ひたすらダブルスのサーブの練習をする子、フットワークの遅い原因を探り動きを確認する子、相手を追い込むクリアを覚えたい子、試合中の厳しい球を拾う練習をする子と少人数だからこそ出来る練習をしました。

ただただ打つのではなく、ラケットヘッドスピードの意識や、手のひらや指の感覚といった、繊細な部分を意識して練習してもらいました。調子の良い時には、自然に出来ている事なのですが、調子が悪い場合の多くが、この繊細な部分が微妙にずれてしまっています。肉体的な疲労や精神的な疲労が、繊細な部分に影響を与えてしまうのですが、細かな部分まで意識できていないと対処も難しいのです。

疲労により筋肉が緊張していれば、ゴムのように体をしならせることが出来ません。手首の疲労が溜まってくると、手首の角度の準備や、指のほんの一押しが出来ません。ラケットも腕打ちになり、ヘッドが走らなくなってきます。コルクとラケット面の接地場所もなんとなくになってしまいスイートスポット内ではあるものの上下がずれてしまうことも多いです。

人数が多いと、他の子が気になったり、まわりの音が気になったり、自分の間(ま)ではなく、他人の間で練習をしてしまうなど、集中力は高まりません。何事にも気が散ってしまいがちな小学生ですから尚更です。もちろん試合会場は、雑踏に溢れていますので、いつもいつも静かな場所で練習するのも良くないのですがね。

ヘアピンを打つ際には、ラケットヘッドの位置を確認しながら、自分の手のひらで打つようにしっかりコルクを意識してヒットする。クリアとヘアピンの反復練習の際の、空振りやラケット面の変なところにあたる事もこれで随分となくなりました。

フルスイングするには、若干間に合わないタイミングで入った時に、強引に力で振りぬくのではく、力を抜いて、ラケットだけを振りぬきヘッドを走らせる。少し苦しい体勢でも、安定した軌道のショットが打てるようになりました。強引に強く降りぬいて奥に返そうとしても、そもそもその体勢から奥まで返せる小学生なんてほとんどいません。しっかり精度の高いつなぎを覚えた方が良いのです。

「力を入れずに振り抜く」を覚えると、少し追い込まれたくらいでは、苦しいと思わなくなります。強引に強く打つことも時には必要ですが、それは見せ球として使う場合で十分です。基本はミスをしない。そして、次のショット体勢を整えるです。強引に行くとミスも増えますし、体勢は整えるどころか悪くなっていくものです。

ショートサービスをする際には、落ち着いて、コルクとラケット面に一度目をやり、接地点のイメージを確認する。打つ瞬間には、ラケット面で打つ意識以上にしっかりと指でコルクを押すようにリリースする。そして、目標に向かって指とラケットを一体にしてやさしく振り抜く。この繰り返しで、随分とあからさまなサーブミスが減りました。打つ前の準備、打つ瞬間の指の力加減、振り抜き方向を、今はまだ考えながらですが、良い時は自然と出来ているものだよと言うとうれしそうでした。上手くいかない原因がわかれば、修正可能ですからね。

今までは、サーブが上手くなる方法ばかりを考えていたようで、下手になる方法を知って、普通のサーブが出来るようになってきました。普通レベルになってからさらに上を目指すのが王道でもありますしね。

あれこれと繊細な練習を繰り返した後で、行った試合練習では、ミスをした際に、しっかりと先ほど練習した部分を自分で確認し修正しようとしている姿もチラホラ見えてきました。自分の普通を自分で取り戻せるようになる事は、力を最大限に発揮する土台になります。

静かな環境で、自分の間(ま)で、繊細な部分に目を向ける練習。傍から見ると、活動量は少なく感じるかもしれませんが、神経系は、いつも以上に活発になっています。筋肉、骨格、そして神経。小学生であれば、特に神経系はしっかり育てたいものです。

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