ジュニアの練習の中で、初心者に教える機会も多く沢山の運動上の違和感に出会えています。小学校の低学年だけでなく、年長さんも含めたちびっこが多いのでテンションを保つのが大変ですが、これはこれで楽しませてもらっています。
今日は、初心者がバドミントンを難しくしている一つである、構え部分についてメモをしておきたいと思います。半身に構えてから打つ練習をすると3人中1人くらいの割合で、この問題に出会うものです。
半身に構えて体を回転させて打つ。しかし、ラケットが中々出てこない。腰も中々、回ってこない。こんな子がいるのです。本人は、頑張って体を横回転させようとしているのに、間に合わないのです。構えを水平にして打つ練習であれば、しっかり打てる子なのに、もったいないのです。
こんな腰の回転が間に合わない子の多くが、足のつけ方に特徴があります。前足のかかとの位置と、後ろ足のかかとの位置を真正面から見ると、後ろ足のかかとが前足のかかとよりも内側に入っているのです。半身以上に構えの時点で下半身が回っている状態ですので、ここから回転して打とうとすると間に合わないのです。
そこで、かかとの位置に意識をもってもらい、前足のかかとよりも外側にかかとが位置するように矯正してみると、すんなり体が回転するようになります。ほんの10cmかかとの位置を変えるだけで、窮屈感のないスイングが出来るので、子供たちはすぐに取り入れてくれました。
ただし、次の日になると、また戻っている事も多いので、繰り返さないといけないのは、低学年だから仕方のない事かなと思います。考えるよりも感覚で運動している子達ですからね。感覚として身につくまでは我慢です。
ちなみに、後ろ脚のかかとに位置をどうして、そんなに深く引いてしまうのか?観察してみると、強いショットを打ちたいからだとわかりました。スマッシュやクリアなどの時にこの癖が出てくることが多いからです。感覚的に腰を沢山回せば強いものが打てると感じているのです。パワーヒッターほどこの傾向がつよいようです。
強く打ちたい気持ちと、しっかり打ちたい気持ちを両立してあげないと、ちびっこ達は飽きてしまうので、かかとの矯正を行った子には、違う方法でパワーのためかたを伝えています。1つ目がヒット時の肩の位置、2つ目が前足のつま先の方向です。
1つめの肩の位置ですが、半身になると子供たちの多くが肩より先に肘が出て来てしまい、十分な回転がラケットに伝わっていません。打つ瞬間に、ラケット側の肩が自分の耳の位置よりも前に出るようにしっかり待ってもらいヒットポイントを前にもっていくようにして、回転動作の中で一番力の出る部分を作り上げ、ヒットしてもらいます。
2つ目の前足のつま先の方向は、前回も記載したように、相手コートではなく、自分のコートを向くように回してもらいます。もちろん回し過ぎも良くないので、軽く回してもらうと、回転スピードがあがることを感じてもらえます。
こんな感じで、体の使い方によって、ショットの質が変わることを、伝えています。繰り返し繰り返し焦らず。ただし一度に沢山、教えすぎて、あれこれ変えすぎるとシャトルをヒットできなくなり、飽きてしまうので、ここの加減が難しいところです。
初心者や低学年のちびっ子同士の試合だと、そこまで求められていない技術なのかもしれませんが、些細な癖ほど、のちのち気付かれにくく放置されてしまう事も多いです。バドミントンの教材やDVDではこんな事は当たり前に出来ている前提で、話が進んでしまっている事も多いです。
自分を上手くしたいなら、マイナスポイントをしっかりゼロに戻して、その上で、プラスの練習をしていくようにしてもらいたいなと思います。マイナス部分は怪我にもつながりますし、早め早めに修正していってほしいなと思います。