2017/01/06 技術を活かす3つの土台 バドミントンと失点

新年明けましておめでとうございます。昨年に引き続き今年もよろしくお願いいたします。年末年始はめずらしくバドミントンをしなかったので、こちらのサイトの更新も滞っておりました。ようやくジュニアの練習がボチボチ始まってきて思い出したかのように書初めています。

昨年の1年間は、初心者のバドミントンと、全小で勝つことの2つを意識してジュニアのバドミントンを眺めてきました。レベル的には両極端なのですが、深いつながりがあるんだなと感じた一年でした。

特に深いつながりを感じたものは3つあり、1つ目は「準備力」、2つ目は「運動リズム」、3つ目は「距離感覚」です。技術レベルは上がったとしても、この3つが現状の自分と合っていないと上手く力を発揮できない。

技術レベルをあげれば得点力はあがります。しかし、技術力だけでは失点を抑えきれません。技術力を発揮するにはそれ相応の準備とリズムと距離感を正常な状態に保つことが大切だなと感じたわけです。

1つ目の「準備力」。失点の多い子ほど、準備を怠ります。シャトルを打った後にその行方ばかりみていて、相手の事も、自分の体勢やポジションの事を考える時間を十分に確保できていない。準備が出来ていないから焦りミスをする。たった一歩の違いでラリーの流れが変わるのがバドミントンです。

また、準備はラリー中だけではありません。ラリーとラリーの合間に何を考え、何を修正し、何を目指すのか?こういった頭の準備力も要求されます。相手の体力、相手の技量、相手の心理とよくよく見れば試合中に沢山の変化が起きています。それをしっかり見て考えるのも準備です。

準備の大切さは、意識の問題と思われがちですが、強い人は頭の中で何の準備をしているのか?をしっかり教えてあげないと、何の準備をして良いのか?準備とは何かがわからないので、細かくまずは伝えてあげる事が大切だなと思います。わかっている事しか意識は出来ませんからね。

2つ目は「運動リズム」。運動リズムに無駄が多い子は、相手との相性に試合結果が大きく左右されてしまいます。ゆっくりした展開なら勝てるが、相手がどんどんおしてくる来る展開だと勝てない。強い子に競れる場合もあるのに、弱い子に負ける事も多い、こんな子達です。

リズム感は、柔軟性のある動きにもつながります。ぎこちない動きが多い、余計な動きが多い場合には、運動連鎖が途中で途切れてしまいそれをカバーするために、力んで打ち、ミスを生みやすい振り方になってしまいます。

運動リズムに無駄の多い子は、最初の一歩と最後の一歩に、特に無駄が多く、その一歩いらないでしょ、そこはもう一歩あっても良いでしょ、まずは足からでしょ。などなどと、いろんなアドバイスをされて困ってしまう子でもあります。運動リズムをしっかり自分の中で構築できていないのでいたるところにその歪がでてきてしまうのです。

細かな部分に手をいれればいれるほど、またリズムが狂い、他の部分がおかしくなる。運動は筋肉や骨との連鎖です。あれこれ細かな部分の修正よりも、最少の動作で、最大の効果を生む連鎖のリズムを体に備え付けることが先決です。シューッと引いてバーン。ポンと飛んでトントントン。などなど自分の頭の中に、理想とする運動とぴったり合う音を探すことが大切です。

もっとシンプルに、もっとシンプルにと、徐々にリズムを変えていきながら成長するのが良いです。フットワークだけでなく、上半身の振りもリズム感を音にしてあらわして、体全体の自分の最高のリズムを育てて欲しいなと思います。そもそもリズムが無い子は、相手のリズムに流されてしまいますしね。

ストップ&ゴー、ゴー&ストップの多いのがバドミントンです。良ーいドンで動くだけではなく、一歩目は歩くように、徐々に加速し、歩くように止まる。こんな運動リズムも徐々に取り入れてもらいたいなと思います。

3つ目は「距離感」。体の成長期でもある子供たちの中には、いつまでも以前の体のイメージのままでバドミントンをしている子がいます。そこまで前に来る必要もうないでしょ。そこまでサイドに移動する必要もうないでしょ。それ諦めちゃったけど足を伸ばせばもう届くよ。ポジションってもうもっと前でも良くないかい?一歩後ろでも良くないかい?焦らなくてももう届くよ。最後の一歩もうもっと大きくできるよ。などなど。

体の成長と共にシャトルとの距離感を変えず、苦しい状態を毎度自ら招いてしまい自滅する。今の体での限界距離はどこなのか?と半年に一度は確認しておきたいものです。身長が3cm伸びただけでも、距離感覚は倍程度の6cmは変化します。腕も足も伸びるからです。足だけでも1歩あたり3cm単位で移動距離が長くなるわけですから5歩でしか行けなかったところが4歩でいけるようになっています。

一歩合わないので、無理に合わせようとしてミスをする。一歩後ろから出ていれば5歩でいけるのにです。3歩でいけるようになるまでは、この調整が特に重要です。何歩でどこまでいけるのか?1歩ならこの距離、3歩ならこの距離、5歩ならこの距離と距離感覚はバージョンアップが必要なのです。

シャトルを打つ方も同様に腕が長くなり、身長も高くなるので、シャトルを捕える位置の調整が大切です。ヘアピンやプッシュなどは、腕を伸ばすとどこまで届くのか?こちらも限界と安定位置をつかんでいきます。スマッシュやカットなどは、3歩下がって打っていたものをその場でジャンプすれば打てるようになっている事もあります。

距離感覚は、真面目に教えられたようにしすぎると、その成長の芽が摘まれがちです。遊び心をもって育てていく事も忘れてはいけません。トライしながら調整しないと育たないものだからです。

私も技術的力を最大限に活かす3つの土台「準備力」「運動リズム」「距離感覚」を今年の一つのテーマとして、特訓していきたいと思います。それでは本年もバドミントン頑張って行きましょう!

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