2017/02/06 認めて欲しいけど道がない バドミントンと劣等感

うちのジュニアのメンバー数がとうとう40名を超えました。地元だけでなく近隣からも体験に訪れてくれています。スタッフ数からするとキャパ越えをしている感じですが、保護者の助けもあり、なんとか回っている感じです。

新規入会の子たちのほぼ全員がバドミントン未経験者なので、今後のチームとしての力は未知数です。しっかり大きく成長していく子もいれば、途中で挫折してしまう子も今まで以上に出てくるのかなとは思います。友達作りが苦手な子が特に気がかりで、こういった子が友達作りをしっかりできる機会を作れるかどうかが課題かなと思います。

さて、こんな大所帯となってきたジュニアの練習ですが、しっかり取り組みたい子たちの環境は体育館が狭くなり、小学校の体育館での練習だけでは、物足りなくなり、夜練習に参加する子も増えてきました。うちの三男坊もその一人なのですが、「もっと練習したい」と思う気持ちが強くなるには一番大切なんだなと改めて感じました。

昨日の試合練習では、練習をさぼったり、ふざけてしまい夜練習もしばらく休むとなった5年男子の子が、2年女子の頑張り屋さんに、とうとう負けてしまいました。傍からみていると2年生の子がすごく強くなって勝ったようにも見えましたが、私の個人的な見解としては、5年生のプレーが心技体すべてにおいて狂ってしまったと感じました。

うちの三男坊ともよく遊ぶ子なので、強くなってもらいたいとバドミントンを一緒にやったりもしていたのですが、今の彼からは「もっと練習をしたい」という気持ちが伝わってきません。怒られ過ぎて、もとからあった軽い障害風の部分だけでなく、二次障害によくみられる言動がみられるようになってきてしまいました。

元来、特別なサポートが必要な子なのに、そのサポートがなされなくなり、自分一人で解決しようとしたがうまくいかず、どうしようもなくなり、その場しのぎの「嘘」や「ごまかし」が出てきてしまっています。もちろん、すぐにばれる嘘ですからまた怒られ、どんどん劣等感だけが育ってしまってきているように思います。

劣等感をうまく力に変えられる子もいますが、体も小さく、頭の回転も遅い子なので、劣等感の闇から出れずに、それが自分なんだと自閉傾向になりつつあります。昔から弱い子とやれば自分の力を発揮できるが、ちょっとでも強いと思った瞬間に、混乱し自滅する傾向が、さらに強く出てきてしまいました。

この状況ですから自信満々でがんばっている2年女子との対戦でも、劣等感に支配されミスを連発し敗戦となってしまいました。個人的にはとても悲しい気持ちになりました。いっしょに頑張って練習してきた子が悔しさも出せない負け方をするわけですから。。

機会があれば彼とゆっくり話したいと思います。「嘘が下手なんだから、次はもっと上手に嘘をつこうとしても無理なんだよ。君はもともと素直な子なんだから。」「練習をしたい。うまくなりたい。素直にその気持ちで取り組んでごらん。気持ちの面が成長するだけで誉めてもらえるから。そうすれば親にも家族にも認めてもらえるから。」

「怒られるのが怖いからと自分にも他人にも嘘をつくのではなく、褒められるために、認めてもらうために何をすれば良いのか?ここだけ考えてごらん。君はもともと素直な子なのだから、バドミントンがうまくなりたい。その気持ちだけでがんばればうまくいくんだよ」と。

今の彼には家にも体育館にも居場所が無い。だから自分だけの世界に閉じこもろうとしています。彼だけの問題ではないのですが、少なくとも彼には希望を与えてあげない事には、あっち側から戻ってくることはありません。迷った彼には道を教え、その先の希望の光を照らし続けてあげる。これが大人の役目です。彼の存在を認めてあげる事、居場所を与えてあげるのが最優先です。

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