2017/04/27 「真似して」では真似できない バドミントンと上達プロセス

昨日の水曜日特訓DAYでは、基礎組の模倣力がどれだけ備わっているのか?確認してきました。お手本をみて、それを忠実に再現できるか?です。子供たちの様子をみていると、お手本の人がお手本をみせている間に、じっくり観察するより先に、言われたことをすぐに自分の体でやってみようとしてしまうようです。

全身をくまなく観察する。その上で、細部にわたって真似をして欲しいところが、ほんの一部分だけみて、それだけを真似する。こんな傾向が強いように感じました。まずはじっくり観察する目が育っていない事がこれで明確になりました。

技能の上達には、5つのプロセスがあります。赤ちゃんが言葉を習得する流れと同じです。1.見本を沢山目にする。2.見本のようになりたいと憧れる。3.実際に真似してみる。4.繰り返し練習し、自動化する。5.自分の形に落とし込む。

この中で、模倣力が弱い子は、1,2の部分を飛ばして、いきなり3に走ってしまうようです。教え方が悪かったようです。真似する力を備えて欲しいので「真似して」と言ってしまう。だから子供は素直に3の真似するをしてしまうのでしょう。

順番としては、2から始めるのが良いのかなと思います。「○○さんの△△はとてもかっこよいよね。こんな打ち方ができるようになると絶対みんなもうまくなれちゃうよね。」こんな風に、あこがれの対象をまずは明確にしてあげる。

その上で、「○○さんがいない時でも、真似できるように、まずはじっくり見て、頭の中に絵をかいてしまおう。全身だよ。指とかラケットの向きとか。細かくね。真似するのはその後ね」と、鮮明なイメージ化のプロセスをいれてあげる。

ここまで出来立て初めて「じゃ、真似してみようか。うまく出来ない時は、また見本をみて、絵を書き直してごらん。書き直したらまた真似すると、どんどん良くなるから」と、イメージと自分のギャップを埋める作業をし、見本の絵の顔が、自分に代わるまで繰り返す。

真似ができない子は、真似ができないわけではなく、真似するプロセスを踏んでいなかった。これだけなのでしょう。憧れる対象を見つけ出し、その人をしっかり細かく観察し、目を閉じてもその姿、動きをイメージできる。ここまでを自然に出来てしまう子と、そうでない子で、教え方も変えないといけないんですね。

最近、うちの三男坊のプレーが私に似てきたと多くの人から言われるようになり、息子に「何か似てきたって言われるんだけど、真似してる?」と言ったら、「一番見てるんだからそうなるでしょ。」と冷静に言われてしまった事にもつながります。「一番見ている。」そこには父親ですから多少の憧れをもってみてくれているものと思います。息子は、真似が出来るプロセスをしっかり踏んでいたんだなと改めて感じました。

見本とする人を見つけ、いつもいつも見続ける。子供たち一人、一人に、この大切さを伝えてあげたいなと思います。憧れなくして成長なし。今日は家でお留守番なので練習には顔を出せませんが、練習に顔を出す時は、どこでだれが見本として見続けているかわからないので、しっかり私も良い見本となれるように気を引き締めていこうと思います。

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