2017/05/24 上級者ほど予測は外れる バドミントンとショット予測

ABC東京予選も終わり、課題克服に時間を費やすことが出来る時期になりました。おそらく出場できるであろう若葉の本選や関東予選に向けての子供たちの成長がまたまた楽しみになってきました。この半年で多くの子が確実に伸びている事を思えば、あと3か月もあればまた大きく成長してもらえると期待が膨らみます。

私も出来うる限り練習には顔を出しつつも、子供たちの成長の糧になるような刺激を探っていきたいと感じながら仕事の合間に、バドミントンの研究をしています。そして今日もまたバドミントンの論文を探っていたところ面白いものをみつけたので、その情報をシェアしておきます。

今回の見つけたバドミントンのテーマですが、リアコートの強化を考えて探っていたら、打つ方ではなく打たれる側のおもしろい研究結果をみつけました。予測という世界です。

上級者、中級者、初級者にわかれて、どこにシャトルが飛んでくるのかを予測する研究結果だったのですが、読む前に結論をあるていど予想していたのですが、これが思いっきり外れてしまう内容となっていました。

リアコートからシャトルを打つ。それがどこに飛んでくるのか?それを予測するゲームで、正解率や回答数などの統計をとると、上級者ほど正解率が高いものだと思っていました。しかし、結果は、上級者の方が正解率が低かったのです。初級者が低いのは当然だろうと思っていましたが中級者の方が正解率が高いとは驚きでした。

どういう事だと食いついて読み進めていくと、なるほど、そういう事かと合点が行きました。回答数の違いです。上級者はほぼすべてのショットに対して予測の回答を示したのに対し、中級者、初級者となるにつれて、そもそも回答できない。どこに来るかわからない。と、回答母数が違ってしまっていたのです。わかるところだけ回答した分、正解率があがったのです。

この実験の際には、1ショットに対して回答は1つと決めて行ったものでしたから、おそらく上級者は、あれとこれもあるけどたぶんこれだ!で回答し、中級者は、よくわからないけどたぶんこれ!と回答し、初級者になればほぼ勘に頼っての回答となっていたのでしょう。

この研究結果から、上級者はとことん予測を働かせている。たとえ予測が外れたとしても、予測の候補の中にある事が多いので対応はできる。一方で、何も予測していない初心者は対応が後手後手になるため動くことさえ出来ない。こういう事がわかりました。

「あの人のショットはどこに打ってくるかわからない。」こんな事は気にせず、ここに飛んでくる。こう予測する事が上級者への近道なのですね。外れても外れても予測を怠らない。1つの予測でだめなら、2つに増やす。2つがだめなら3つに増やす。この繰り返しが、予測の精度と、外れた時のリカバリー力につながるのですね。

うちのジュニアの4年女子の小さい方の子は、シングルスの試合で、まったく動けないショットが頻繁に出てきます。もしかすると、予測が下手なのかもしれません。そもそも予測せず勘で動いている可能性も高いです。今度、予測について彼女にヒアリングしてみます。おそらく私の予測は当たるはずです(笑)ちなみに、先日のABCでベスト8に入った4年生の大きい方の子は、間違いなく予測しています。これが技術力は無くとも、考えてはいない子達に、がんがん勝てるようになった要因なのでしょう。

「あの人のショットがどこに打ってくるかわからなかった。」こんな反省の言葉は今後はNGです。上達する予測で大切なのは、正解率ではなく、回答数。なにはともあれ、沢山、予測をすれば良し。予測をしていなければ初心者に舞い戻っているのと同じこと。「どこに来るかな?」と漠然と待っても後手後手になるだけ、「ここに来い!」と狙いながら予測ドンピシャの時を楽しむ事が強さにつながります。

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