水曜日の特訓DAYで、基礎組の5年女子同士のシングルスの試合で気が付いた事がありましたので、それもメモしておきます。まだ初めて1年くらいの二人なのですが、全面でシングルスの試合をしていても、コートを広く使えません。
もっとコートを広く使いなよと言っても改善しません。そこで問題点を探るため、試合後に彼女たちに、何を考えて打ち返しているのか?ヒアリングしてみました。すると・・・ほぼ何も考えていない。来た球を返す事しか考えられていませんでした。
単純に、頭で思ったことを実行するのが体ですから、シングルスなのに反面シングルスになってしまうのも当然かなと思いました。
打ち返す前には、左右の選択、前後の選択、ショットスピードの選択、ショット角度の選択などをした上で、クリアかドロップかヘアピンかスマッシュかと半自動的に考え実行しています。この細かな選択部分が彼女たちには存在しないも同然の状態でした。
「どちらに打つかをまずは考える。」「これをしておかないと、体の準備が出来ないから、まず最初に考えよう。右に打つのか、左に打つのか。」「それが出来るようになったら、今度は前に打つのか、後ろに打つのかを考える。」「これで溜めなきゃいけない必要な力の準備が出来る。」「今のレベルなら、ここまでやっていこう。」
自分たちが意識すべき「頭」の使い方を彼女たちに伝えると、もう5年生なので、すんなり課題として受け入れてくれました。考えろ、頭を使えと言われながらも何も変われない気持ちの中で、具体的に何を考えれば変化が起きるのか?この道がわかった事で心が晴れたような顔をしていました。
相手は小学生、選択肢も少なければ、優先順位もめちゃくちゃなんだよなと、改めて感じる事が出来ました。おそらくジュニアの上級者組でも、選択肢や優先順位をしっかり考えている子は少ないのかもしれません。いきあたりばったりだから見ていて不安を感じるのかもしれません。
ミスをする一番大きな要因は、体の準備不足ですが、その前に「何をするための準備なのか」この部分が頭になければ、準備も出来ないわけです。打ち返すコースをまずは決める。なんとなくシャトルを拾いに行って、その場でコースを選択しようとしても、体の準備が出来ていないとミスになる確率がぐんとあがります。
コースを先に決める事で、シャトルが飛んでいる間に、下半身の入り方、上半身のひねり具合などをあらかじめ調整できます。前か後ろかは、相手がどう動いているかをみてからでも間に合います。スピードや角度は、コースと前後さえ間違わなければ、それほど意識しなくても致命傷にはなりません。自分のショット精度にあわせて選んでも良いくらいです。
ただし、シングルスならこういった考える時間も多くとれますが、ダブルスでは、高いロブが来たときや上げた時、前衛で余裕があるなどくらいですかね。ダブルスはコース選択の定跡にのっとて攻めたり守ったりしますので、選択云々の話ではないかもしれませんが、意識出来るときくらいはやりたいものです。
とりあえず相手を一歩でも多く動かすコース選択が第一。左奥からなら右前に。右奥からなら左前に。左前からなら右奥に。右前からなら左奥に。小学生のバドミントンではこれだけで相手の精度はガクンと下がり主導権を握れます。シングルスなら5歩動かす。ダブルスなら3歩動かす。これが理想です。