2017/10/16 動けない子たち バドミントンと優しさと厳しさと

この土日は三男坊が負傷し練習を久々に休み、ゆっくりしてしまいました。謎の傘の先端がふくらはぎの筋肉部分に直撃し腫れと痛みで踵をついては歩けない状態です。誰かにいじわるされたとかではなく不慮の事故ですから運が悪かったと考えるしかありません。関東大会が今週末に行われ、出場が出来ていたのであればもっと焦っていた事でしょう。土日で病院はお休みだったので今日診てもらいに行きますが、今朝もまだ普通に歩けない状態だったので今日も練習はお休みかなと思います。今は回復を待つばかりです。

さて、三男坊の練習は休みましたが私は長男坊の休日練習に顔を出してきました。毎月1回ですが、顧問の先生と課題克服のためにあれこれお話しながら、ノック上げを中心にサポートしてきました。運動が得意ではない男女、我武者羅に頑張る事に恥じらいがある男子など、ジュニアではあまり見られない子が多いので毎回私も勉強になります。

顧問の先生の最近の悩みは、技術面ではダブルスでクリアを打たれると動けない。スマッシュレシーブが軟弱で2本連続で打たれると終わってしまう。練習態度では、率先してアドバイスをもらいに来ない。挑んでこない。こんな事のようでした。

こんな課題面を生徒たちの動きをみながら解決策を探ったわけですが、ダブルスでクリアを打たれた時のような予想外のショットを打たれた時に動けない部分は、関節部位の力を抜くことが出来ないからだとすぐにわかりました。

相手が打つ瞬間に、膝や肩、手首も含めた関節部位に力をいれてしまう子が多く、体が強張ってしまい動けない。単純な話ではあるものの、力を入れるのは反射的なもので癖ともいえるので治すのは少し時間がかかりますとお伝えしました。

技術的にはリアクションステップや膝抜きなど、初動部分の特訓が不可欠ではあるものの、それ以前に、防御に関する固定概念を変えていかないと変化は難しいものだからです。人間も含めた動物は攻撃されると感じ取った瞬間に、体を強張らせ、防御姿勢を取ります。この動物的な反射運動が強張りとしてレシーブの際に出てきてしまっています。

たかだかシャトル。命に関わるほどのものではない。体を強張らせる必要のないレベルのもの。単に打ち返せば良いだけのもの。こういった意識改革をしないと体の力を抜く事は難しいのかなと思います。その上で、リアクションステップやら膝抜きという技術的な部分をあわせて練習が必要なのでしょう。

中学から運動を始めたような子や、球技運動をあまりしたことの無い子たちにとっては、たかだか子供同士のスマッシュも恐怖を感じるものとして無意識にとらえられてしまう。こんな事を感じました。スマッシュレシーブが軟弱なのも体が強張っているから振りが鈍い。こうつながるのかなと。がんがん突っ込んでいくくらいの勇気が持てるようになれればレシーブの軟弱さも克服できるのでしょう。

練習態度にしても、自分を守るため。戦いを挑まないのも、自分を守るため。バドミントンというより運動そのものに防御の姿勢が根付いてしまっているのかなと思います。コーチや顧問の先生は怖い存在。だからあえて触れない方が良い。こんな意識が心の中に燻っているかもしれません。

こんな態度だからコーチや先生からは「積極性が無い」と怒られたり、「やる気がない」と怒られたり、「元気がない」と怒られたりと、防御を解除できない悪循環に陥ってしまっている事が考えられます。生徒の心が強張ってしまっている。だから練習意識も運動も強張り、防御が基本となってしまうのでしょう。身も心も積極的に動けないのは、生徒だけではなく教える側の課題ともとれます。

バドミントンに対する心が防御姿勢の子に、動けと怒れば、さらに動けなくなる。まずは心を自然体に戻してあげることが先決なのかなと思います。うちのジュニアの子の中にも、似たような子が多いですけどね。萎縮した子供への対応は、間違えればその子の精神を壊しかねません。最悪な場合、悲惨なニュースになるような事態も教育現場では頻繁に起きています。子供の成長=部活やクラブの評価、これが社会的な評価です。結果重視は業界の一部の人の評価に過ぎません。都合よく切り捨てたり、壊してしまえば評価は地に落ちます。誰のための活動の場なのかを履き違えるとトラブルも後を絶ちません。

防御姿勢の子にはやさしさを、攻撃姿勢の子には厳しさをもって、子供の心を自然体に戻してあげる事がバランスの良い指導であり、子供の心の成長に不可欠なのかなと思います。もちろん攻撃的だけど防御姿勢から出たものである場合や、防御的だけど攻撃的な側面から出た狡賢い場合もあるので、優しさと厳しさの使いどころは難しいのですがね。

さてさて、我が家の怪我で物理的に動けない子は、いつ動けるようになるのやら。怪我をしたら心も何もあったもんじゃないですからね。。

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