2018/05/09 ラケットも体の一部 バドミントンとロブショット

東京都の若葉予選も終わり、男子は無事優勝し、全国大会への切符を手にすることが出来ました。昨年は歓喜の気持ちが強かったですが、今年は安堵の気持ちが強かったです。個々人の力は確実に伸びておりましたが、チームとしての力はやってみないとわからない部分も多く、どう転ぶかが若干心配でした。

女子は初戦敗退となりましたが、しっかり戦って負けたので、十分今後に期待できる感じを受けました。結果だけ見れば男子のみが目立つものでしたが、女子もしっかり良いチームとなっていました。いずれにせよ、まだまだぐ~んと伸びる時期です。試合に出た子も出なかった子も、前を向いて行って欲しいなと思います。

さて、前回は上から打つショットでの動作感覚について「振出し方向」の勘違いを修正しました。今日は、保護者向け基礎練習の中で、下から打つショットの振りについて気づいた事をメモしておきます。ロブの素振り。

まず簡単な方からとバックハンドロブの素振りから始めました。何も言わず素振りをしてもらうと、腕を下へ大きく引き下げ、そこから上へと振り上げる腕打ちの方、猫手で振る方、ラケットが横降りの方などがおりましたので、基礎的な動きをお伝えしました。

基本的な打ち方を伝えた後、腕を振らなくても飛ばせる事、腕を振りすぎる事で起こる悪い事、猫手の限界と、変化させるための動機づけとなる説明をしました。これが基本だよと言っても、ある程度打ててしまえば、変えにくいものですので、デメリット部分を伝えています。ワンランク上を目指すなら変更しましょうという感じで。

腕を振り上げたがる人のデメリットとしては、振りが大きくなり、足は間に合っているのに、ヒット出来ない事や、バックアウトの増加、ハーフロブが困難になる事などがあります。 また、猫手の人は、猫手ゆえに、手首の回転可動域が、手首を横に回転させるものに比べて半分になるため、腕をより大きく振らないと飛ばないため、腕を振り上げたがる人と同じデメリットが生まれる事を伝えました。

基本的な動作は、手首を立てた状態で、腕も肘もグイッと前に出して、三角形をつくり、手首を横スライド初動で、親指で押すように回転させヒットする。これだけです。ラケットの面作りが遅い人が多くいたので、早めに面づくりをした上で振りましょうといった感じです。

親指押しの手首の回転運動の感覚、手首を立て、ヒットの際に三角形を作る感覚、手首の初動の横スライドの感覚、面を作るタイミングの感覚と、腕肘を前もって前に出し半身を作る感覚などが、徐々に育ち、複数の感覚が連動して「できた!」につながりました。案外すんなり改善できました。

次に、難敵フォアハンドロブです。ジュニアの子達も苦戦するものですので、あれこれいうより感覚を育てる事から始めました。とりあえず、フォアハンドで、シャトルリフティングをしてもらいました。

想定内ではありましたが、ほぼほぼみんな腕振りでした。腕をグッと下にさげ、そこからシャトルにラケットを当てにいく動作を行っていました。当てにいくので、ヒット後のシャトルは真上には上がらず、あっちこっちと飛び回ります。

お手本を見せても、何が違うのか分からないようでしたので、解説をしました。腕を前に出して、三角形を軽く作ってこのままポンポン。腕を降ろさない、上げない。こんな感覚をまずつかんでもらいました。面を水平にし、シャトルのコルクを捕えれば、ガットの力だけでもポンポン跳ねる感覚から感じ取ってもらいました。

ある程度わかってきたので、今度は、握ったラケットの下三本指をほどいてもらい、親指と人差し指の2本でラケットを持ってもらいました。この状態でラケットヘッドをぶらっと下に落とす。ヘッドの重みを最大限に感じ取ってもらい、これ以上は落ちると思った時に下三本指を握りこむ。するとラケットヘッドが上方に動き出す。この上方へ動き出す中でヒットする感覚をつかんでもらいました。

腕を振る前に、ヘッドの重みを感じて、重力とその反力でシャトルを飛ばす。これだけでどの程度、シャトルが飛ぶのかを感じ取ってもらった上で、腕の振り幅で距離を調整。人差し指で方向の調整と、握りを変化させる事から初めて腕の活用範囲を感じ取ってもらいました。

最初は難敵と思っていたのですが、バックハンドよりも感覚は早くつかめたようで、ヘッドの重みの活用部分が「肝」だったのかなと感じました。バックハンドでもヘッドの重みを感じて練習してもらうと、小さな力で遠くまで飛ばせる人が増えました。

私自身のこれまでは、腕の使い方や、体の使い方に多くの意識が行っていましたが、ラケットも体の一部として意識させていく事の大切さを感じ取れました。シャトルを打つのは腕でも体でもなく、ラケットですもんね。今回の気付きを通じて、今後はロブに限らず、ラケットが体の一部である感覚を伸ばしてあげていこうと思います。

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